一般財団法人 英語教育協議会
ELEC(エレック)英語研修所
  1. [ELEC出前研修報告書]1.埼玉県立熊谷女子高等学校

[ELEC出前研修報告書]
1.埼玉県立熊谷女子高等学校

学校取組紹介2017.09.13

ELEC出前研修

-実際の授業を踏まえた研修や指導助言、専門家が継続的に学校を訪問‐

ELECでは2015年度より英語科教員の指導技術向上のために、求められる知識や技術を提供する「ELEC出前研修」(授業改善のための専門家派遣事業)を実施しています。英語教育の専門家(大学教授や教員研修指導経験者)が継続的に学校を訪問し、先生方の疑問・課題と実際の授業内容を踏まえた指導助言や研修を行っています。


埼玉県立熊谷女子高等学校では「高校生のコミュニケーション力アップを図るための中学既習事項復習プログラム(コア・ラーニング)の研究」をテーマに出前研修を実施している。以下に学校からの報告書を掲載する。

*コア・ラーニングとは・・・英語のコアを学ぶコア・ラーニングは単純なドリル練習ではなく、中学校程度の平易な教材を用いて生徒に高い負荷をかけた活動で生徒の頭に確実に中学英語を残し、英語の自動化を図ろうという試み。代表的な活動にStrip StoryやLoud Speakerなどがある。

本多綾子(2017)「熊谷女子高等学校の中学校復習活動「コアラ(コア・ラーニング)」について」,『英語教育』2017年5月号, pp.32-33, 大修館


● 第1回目 2017年6月23日(金)                                                               

(1)研修内容

・参加校北部5校(秩父高校、熊谷高校、熊谷西高校、本庄高校、熊谷女子高校)からの「コア・ラーニング授業」についての実践報告。

 ・熊谷女子高校の英語教諭実施の「コア・ラーニング、Loud Speaker 」の授業ビデオを視聴しながら、参加者で質疑応答をし、金谷先生から指導・講評をいただいた。

 ・6月24日(土) に獨協大学で開催されるワークショップのリハーサルを行った。当日の発表は、北部5校での取り組みの実践報告が主であり、特に昨年度から継続的に行っている、「コア・ラーニング」における、Strip Story、Loud Speaker、リアクショントレーニング について、参加者の獨協大学生及び英語教員向けにマイクロティーチングを行う予定である。

(2)感想

・今年度最初のELEC出前研修であったが、新転任の新しい顔ぶれの先生方も含め、各校から多数の参加をいただき、有意義な研修会になった。

・「コア・ラーニング」授業の実践報告では、今回は、主に熊谷女子高校の英語教諭のビデオを視聴しながら研修を進めた。対象の1年生の生徒にとっては、初めてのLoud Speaker であった。最初に指名された生徒が緊張してなかなかうまくいかない場面もあったが、そのようなときには、「生徒の英語の能力や性格に応じて、もう一度挑戦させるか否かを判断すると良い」、と金谷先生から助言をいただいた。個々の生徒の英語の力だけでなく、日ごろからの生徒理解の必要性を再認識した。

 ・獨協大学で開催されるワークショップのリハーサルは、スムーズに進めることができた。今回のワークショップにおける受講生は、大学生と英語教員なので、それぞれの活動に関しては、事前説明を長くせず、すぐに活動に入り実際に体験してもらうほうが良い、と金谷先生からの助言があった。同じ活動を行うにしても、対象によって、いろいろな工夫が必要だと改めて感じた。


● 第2回目 2017年7月31日(月)                      

(1)研修内容

・参加校北部4校(秩父高校、熊谷高校、熊谷西高校、熊谷女子高校)からの「コア・ラーニング授業」についての実践報告があった。(本庄高校は校務のため参加者無し)

・秩父高校:1年生にStrip Story 実施

・熊谷高校:1年生にLoud Speaker実施

・熊谷西高校:各学年でLoud Speaker実施

・熊谷女子高校:1年生でStrip Story, Loud Speaker 実施

・金谷憲先生から指導、アドバイスを頂いた。

 ・6月24日(土)獨協大学で開催されたワークショップの報告があった。熊谷・熊谷西・本庄・秩父からSN5メンバーが講師として参加し、コア・ラーニング授業の紹介を行った。チームとして参加したので、複数校が継続的に研修を行っている意義をも伝えることができたという報告であった。

 ・6月25日(日)大阪で開催されたコア・ラーニング授業紹介の報告があった。関西の学校にもコア・ラーニング授業が広がるきっかけができたとのことだった。

(2)感想

・参加者は少なかったが、その分、意見交換が活発で有意義な研修会になった。

 ・金谷先生から頂いたコメントの概要は以下の通り。

「授業で1回扱ったからその教材を終わりにするという考え方を改めなければいけない。1度やったのなら、さらにもう1度、もう1度と繰り返し学習させることが必要だ。その際、回を追うごとに負荷を掛けていくようにする。」

「中学生にStrip Storyを体験させる場合は中学校1年生か2年生の教科書から題材を取るとよい。会話形式で文章は簡単だが、発言者の名前を伏せると意外に難しい。」

「GTEC for Studentsで成績が伸びた学校は、細かく発表活動をたくさん入れている。トピックを選んで賛否の意見を発表させるようなことではなく、物事を描写する力を伸ばすことが重要である。」

 ・熊谷女子高校長からコア・ラーニング授業が近隣の中学校長の間で評判が良いこと、金谷先生から群馬県教委がコア・ラーニングに関心を示していることを聞き、今後もますます研究を進めていきたいと感じた。


● 第3回目 2017年8月22日(火)                     

(1)研修内容

・北部5校に加えて、今年度4月から高校英語への橋渡しとして「コア・ラーニング」を集中実施した不動岡高校を迎え、その実践発表を中心に研究協議を行った。

・不動岡高校では、4月13日から5月20日まで実施した「不動のブリッジ活動」の中でコア・ラーニング活動が実施された。Strip Storyをコミュ英Iで7回、Loud Speakerを英語表現1で7回実施したそうだ。

・Strip Storyでは、北部5校の教材は易しかったため、高1教科書のイントロとして使われる英文を使った。Loud Speakerは『読みトレ100』を使用。これらメイン活動に加えて、コミュ英教科書の語彙指導や英表教科書の瞬間英作文を行い、これら全てを網羅した中間考査を実施した。

・研究協議では、Strip Storyに注目が集まった。長くて難しい英文を生徒がすぐに覚えてしまうというので、一同驚いた。ディスカッションの采配についても質問が多く出た。金谷憲先生からも「偶然にうまくいってしまったのか、それとも生徒同士で英文を繰り返し発表しながら解答に辿り着いたのか」と確認があった。授業VTRがなかったので、結局は類推するしかなく、残念だった。

・金谷先生から指導・助言を頂いた。概要は以下の通りである。①コア・ラーニング授業をテストした点について、成績を付けるためのテストになっていないか。ブリッジ活動というのであれば全員が100点を取れるように、やったことをやった通りに確認するテストでよい。②Strip Storyの采配についても、繋がる文同士の組み合わせを考えさせることの方が、discourse marker, topic sentenceという言葉を使って説明できることよりずっと大切である。③単語の先取り学習は良い。途中で止まってしまうのは残念。先取りを継続して、そこに復習を加えていけば単語集で学習するより効果がある。④不動岡・北部5校でお互いに教材を持ち寄ってシミュレーションをしてみてはどうか。

(2)感想

・ゲストを迎えて活発で有意義な研修会になった。不動岡高校はSuper Global High Schoolの指定校であり、その指導計画の中にコア・ラーニング授業を取り入れてくれたことは一個人として大変うれしい。今後も刺激を受けつつ、コア・ラーニング授業をますます充実させたい。

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