[ELEC出前研修報告書]
2. 利島村立利島小中学校

2017.10.02

ELEC出前研修-実際の授業を踏まえた研修や指導助言、専門家が継続的に学校を訪問‐ELECでは2015年度より英語科教員の指導技術向上のために、求められる知識や技術を提供する「ELEC出前研修」(授業改善のための専門家派遣事業)を実施しています。英語教育の専門家(大学教授や教員研修指導経験者)が継続的に学校を訪問し、先生方の疑問・課題と実際の授業内容を踏まえた指導助言や研修を行っています。


利島村立利島小中学校では小中併設校の特色を活かし、課題解決型の外国語活動について研修を進めている。実践的なコミュニケーション能力の素地や基礎を身につけさせるような指導のありかた、考え方をテーマに研修を重ねている。以下に学校からの報告書を掲載する。

● 第1回目 2017年5月22日(月)                                                                  

(1)研修内容

・テーマ「課題解決型の授業を通して、楽しみながらアルファベット・ローマ字を学んでしまう小学校外国語活動」
 第1部 [小学校1~3年生合同 模範授業]
 第2部 [講義・演習]
  ① 小学校高学年における模範授業(アルファベットの導入)
  ② 課題解決的な学習をする目的について
  ③ 実践事例、具体的な指導の工夫、その他
  ※インプットの方法
  ①ゆっくり ②くり返し ③内容語に強勢をおく ④疑問形で
  ⑤短く   ⑥シンプルな語句に言い換える   ⑦代名詞はさける など
  ※絵本を活用した授業
  ①子音を効果的にインプットする  ②ALTに発音を示してもらう
  ③ジェスチャーを用いて、間と視線を効果的に活用する。
(2)感想

【課題解決学習】
目標に見通しをもたせて活動に取り組ませる効果を体感した。児童が学習を通して向かうべき目標が明確になることは、他教科、生活指導面などにも活用できると思う。理科の実験など、タスクが明確であれば児童も分かりやすいが、国語の読み取りなど、タスクが設定しづらい教科についても、討論したり、登場人物や筆者などに自分を置きかえたり活動を通して、タスクを設定するなどして、課題解決型の授業展開を考えていきたい。特に1時間ごとのねらいが薄れがちな「国語」の学習における物語文、説明文などでも課題をもたせ、解決する授業にしていきたいと感じた。タスクの設定には、子どもにとって身近なものを扱うことや、子どもたちが理解しやすいように発門を端的にすることなど、今日からの実践にすぐに取り入れることのできるポイントを多く学ぶことができた。
【英語学習】
初期段階の英語学習では、シャワーを浴びるようにインプットすることばかりに注目するのではなく、アウトプットやフィードバックも適切におこなうことが大切であることを学んだ。インプットについては、子どもたちが理解できる表現を用いて、発達段階に合わせてゆっくりと繰り返し使用することが大切である。すぐに英語の意味を教えてしまうと、子ども達は「何だろう」と興味をもったり考えたりする時間が減ってしまうので、ある程度語彙が習得されるまでは、イラストを活用したり、単語をグループごとにまとめて覚えていくなど指導の工夫が必要だと考えた。


● 第2回目 2017年8月30日(水)                     

(1)研修内容              

・テーマ「絵本型プロジェクト授業の実践」
 第1部 [英会話クラブ 模範指導]
 第2部 [講義・演習]
  ① 絵本を活用したプロジェクト型授業について
  ② 絵本の選定基準等、授業で活用できる絵本について
  ③ 実践事例、具体的な指導の工夫、その他
(2)感想

○反復練習の方法を工夫し、変化を加え、楽しい気持ちで反復練習ができるように授業を組み立てる○ボンゴゲームのように手間が少なく、楽しめるゲームはとてもよいので取り入れていく○英語の絵本について調べ、授業を行う際に積極的に使っていきたい○「Whose~?」のフレーズを学習する時に子供達に問題を創らせて、学習意欲を高めていたことが心に残った○自分が作った問題を友達が悩みながら解いていることに子供は喜びを感じ、そのために自分からキーフレーズを覚えようとする姿勢は、応用できると感じた。例えばペアまたはグループになって1人が出題者になって、出題者が書いた絵を当てさせたり、カードを用意しておき、それに関係したキーワードを当てさせたりする活動が考えられる。子どもが自分から興味をもって活動できることを実践したいと思った○単調な繰り返し(repetition)では、子ども達は飽きてしまう。少しずつ変化のある繰り返し(iteration)で訓練が深まることが分かった。「Head Shoulders Knees and Toes」の違うバージョンを紹介いただいたのはいい例だった。○絵本を導入の題材にして、実際に自分たちで絵本をつくり上げる体験は、新しい学習指導要領において求められている、学習した基礎的、基本的な知識・技能を活用する学習活動であると感じた○外国語活動はもちろん、日々の授業においても実践できるところは実践していくべきであると考える○学習したことをもとにクイズにして、楽しませることで学習したことの定着を図る○ただ繰り返し練習させるのではなく、変化を取り入れながら繰り返しさせる。例えば、喜怒哀楽の感情や緩急を付けることができる○絵があると、言葉の意味が分からなくても子ども達もなんとなく内容は分かるし、何より同じ言葉が何回も繰り返し使われていたので、フレーズも頭の中に残りやすかったのかなと思う。ただ、絵本を使うとなると読み聞かせをするのはALTにお願いすることが多くなると思うが、こちらの思いをあらかじめきちんと伝えていく必要があるのと感じた○自分が最低限の英語力を身に付けてコミュニケーションを取っていかなければならないと思う。絵本を選ぶときのポイントも提示していただき、大変勉強になった○基本的なことであるが、意識しなければ始まらないので、積極的に取り組んでいく○質問に対して完全な文で答えることを求めるのではなく、大切な言葉や表現が伝わればいいと捉えていく。教師の指示も同じ。日本語も適切なところで挟んでいく。