一般財団法人 英語教育協議会
ELEC(エレック)英語研修所
  1. 授与式・特別講演(受賞結果)

授与式・特別講演の模様

2016年度 第2回ELEC英語教育賞授与式が開催されました。

 3月18日(土)如水会館(千代田区一ツ橋)において、「ELEC英語教育賞授与式・特別講演」が開催されました。今年度はELECの創立60周年という大きな節目を迎え、大勢の教育、企業関係者のご列席を賜り盛大に行われました。授与式においては英語教育の専門家の厳しい審査を経て文部科学大臣賞、ELEC理事長賞を受賞した2校が決定いたしました。また、授与式の後に行われた特別講演では日本の人材コンサルタントの第一人者でもある橘・フクシマ・咲江氏をお迎えし、喫緊の課題でもある日本のグローバル人材育成と英語力、交渉力についてお話しいただきました。

文部科学
大臣賞
徳島県鳴門市第二中学校
「豊かな国際感覚を育み、コミュニケーションへの積極的な態度と確かな英語力を育成する小中一貫の外国語教育の創造」
取組内容
ELEC
理事長賞
岐阜県大垣市立星和中学校
「考えながら英語を話す」生徒を生み出すための授業づくり
取組内容

受賞校講評(吉田研作選考委員長)

 徳島県鳴門市第二中学校および岐阜県大垣市立星和中学校の両校の先生方、本当におめでとうございます。まず書類審査としてそれぞれの選考委員の方から出された報告を読ませていただき、その結果をもとにここで表彰される2校を候補に上げました。そして第二次選考では実際にその取組内容がわかる授業風景などのDVDの提示をお願いし、各賞に関しては議論した結果、徳島県の鳴門市第二中学校を文部科学大臣賞、そして岐阜県大垣市立星和中学校をELEC理事長賞に決定いたしました。

 鳴門市第二中学校の取組は豊かな国際感覚を育み、コミュニケーションへの積極的な態度と確かな英語力を育成する小中一貫の外国語教育の創造、小学校と中学校をどのように繋いでいくかという非常に大事なテーマを扱っています。授業そのものも英語を駆使して積極的に生徒たちが取り組んでおり、英語を使ってコミュニケーションしていくという授業を展開されていました。生徒たちがかなり発表をしていましたが、生徒同士が積極的に様々な形でやり取りしていくという点がもう少しあるとより良い取組になるのではないかと思います。ALTの先生も非常に積極的に参加して質問などされ、最後は非常によく分かるまとまった講評をしておられました。また、一つの授業の中で導入から最後の評価まで全て一貫して整っていたということは非常に良い取組であったと思います。

 岐阜県の大垣市立星和中学校ですが、小学生と一緒に授業をやるという非常に面白い取組で、中学生がお兄さんお姉さんになって、小学生に対して絵を使って話したり、ストーリーテリングのようなことをやっています。それについて小学生が質問するという非常に面白い連携ではないかと思います。小中連携というと小学校の先生が中学校に行くとか、中学校の先生が小学校に行くなどという連携はよくあるのですが、生徒同士がお互いに交流することはあまり多くないので、非常に目新しい面白い取組だと思います。「考えながら英語を話す」生徒を生み出すための授業づくりについては、日本語が使われていた部分もありましたが、最終的に生徒たちに英語を使わせる、発表させる取組をしっかりされていました。次期学習指導要領にあります「思考力、判断力、表現力」で、特にこの思考力を中学校でどう育成していくかという点で、有意義な取組であったと思います。

 両方ともしっかりとした一つの目標を持って、それを着実に実行しようとしている姿がよくわかりましたし、模範となる取組であったと思います。今後、新しい学習指導要領が出てきますと、この両校が考えておられた小中連携や、単なる知識、「思考力、判断力、表現力」をどう育成していくかということが中心的課題になっていきますので、今回の両校の取組はその先駆けとして、非常に良い形の例を示して下さったと思います。

受賞校代表者のコメント

徳島県鳴門市第二中学校(代表者 齋藤智子教諭)

 本日はこのような賞を頂き本当に身の引き締まる思いでございます。本校は小学校、中学校の9年間を見通した英語教育の在り方を研究し、今年で4年となります。その中で学んだことはチームワークの大切さです。中学校では英語科での取組をきっかけに他教科の先生方との連携が活発になり、様々な実践を進めることができました。同じ目の前の子どもたちのため、他教科でも国際感覚を高める授業を行い、活動の仕方を工夫し合うなど、学校全体で学びの繋がりについて考えていくことができ、本当に良かったと思っています。また、中学校の取組だけではなく小学校と密に連携できた環境は今回の実践において欠くことのできないものだったと思っております。小学校の先生方からの視点でご意見を頂く等のサポートにより、中学1年生の時からより子どもたちに寄り添った授業づくりをすることができました。課題はまだまだありますが、チーム鳴門市第二中学校の中で子どもたちがいきいきと活動している姿を見ることができ、本当に嬉しく、何より日々の原動力になっております。最後になりましたが、今後もたくさんの方々に支えられて、子どもたちのために日々精進して参りたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

岐阜県大垣市立星和中学校(代表者 種田晃子教諭)

 本日はこのような賞を頂きありがとうございました。これまでの私たちの実践を評価していただいたことに大きな喜びを感じております。本校は文部科学省の指定を受け平成26年度より岐阜県英語教育イノベーション戦略、英語教育教科地域拠点事業に取り組んでいます。小中高の12年間を通して何ができるようになればよいかを考えてきました。昨年度からは特に考えながら英語を話すことをテーマとしました。内容を考える、表現を考える、話し方を考える、の3本を大切な柱として日々指導を続けています。生徒たちは英語を話して相手に通じた時の楽しさと、今よりもっと話せるようになりたいというもどかしさを次への意欲にしています。今日の授業は楽しかった、すごく勉強になったと言ってもらえることが英語を教えていての一番の喜びであり、意欲になります。そんな授業を生徒とともに作り上げていきたいです。また拠点校で一緒に研究を行っている小学校、近隣の高等学校とも継続して連携を続けていきたいと考えております。最後にこの授業を行うにあたり全面的に協力してくださった大垣市立星和中学校の先生方と生徒の皆さんに心から感謝して挨拶とさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。

来賓からの祝辞(文部科学省初等中等教育局国際教育課外国語教育推進室の圓入由美室長)

 本日、表彰を受けられました二つの中学校の皆さま、誠におめでとうございます。今回の受賞に当たりまして、最近の英語教育改革について少しお話をさせていただければと思います。グローバル化が急速に進んでいる中で、平成25年度から英語教育の新たな局面を迎えました。その中で中央教育審議会の答申を12月に頂き、今年度末には小学校、それから中学校の学習指導要領の改訂が恐らく確定することになろうかと思います。まずは小学校英語教育で早期化・教科化が平成32年度に全面実施ということになります。それに先駆けて、全国的に30年度から3年生、5年生の新学習指導要領の導入準備を検討されているという話も伺っております。中学校におきましても、先行実施は30年度からになる予定ですが、新学習指導要領の方向性に向けた、研修や英語教育強化地域拠点事業というものがありまして、先進的な取組を各地域で進めていただいているようです。もともとこの英語教育改革が始まりましたのは25年度の政府の方針でありまして、経済界はじめ多くの皆さま方からのご期待を寄せて始められたわけです。26年度から有識者会議、本日ご臨席の吉田選考委員長を始め、有識者会議の議論から中央教育審議会まで、もう3年目になると思いますが、本当に多くの方々に議論に参加いただきました。特に学校現場の皆さま方から、英語教育がこのような形で急速に変わるのは大変でご苦労されるということをお伺いしていますが、この方向性で英語教育改革を進めていくことはこれからの子どもたちの将来の可能性を広げていくと大勢の方におっしゃっていただきました。教員の養成、研修などの制度改正も来年度に控えております。

 本日、受賞された2つの中学校の皆様方の活動については2年位前に教科調査官や教育委員会の方からも伺っておりました。授業DVDを見させていただく機会もありまして、今後の小中高の学びを繋いでいくという時期に学習指導の改訂の方向性を実践していると感じたところです。本日、受賞された2校の皆様、それから多くの地域で英語教育を支えている皆様方には、このような取組モデルに触れられる機会を作っていただけるよう期待しております。特に学習指導要領の中身としては、「知識、技能」「思考判断、表現力」、それから「学びに向かう力、人間性」という3つの能力を育成することがテーマでございますが、英語につきましては「聞くこと」「読むこと」「話すこと(やりとり)」「話すこと(発表)」「書くこと」の5つの領域の目標を設定させていただいております。本日、受賞された2校の皆さま方の取組も実は参考にさせていただきました。特に注目していることですが、相手を意識しながらお互いを伝え合う喜びを味わう英語教育を目指していると学校現場の先生方からもお伺いいたしました。このようなことを是非、新学習指導要領に書き込めたらと有志の先生方にもご相談しながら、検討を3年間続けてきたわけでございます。今後でございますが、新しい指導の方向性に沿ってますますの英語教育の充実にご理解とご支援を皆様方に頂きたいと考えております。終わりでございますが、この授賞式を一層の励みに我が国の英語教育が今後さらに前進いたしまして、多くの若者たちの未来を支える力となりますようお祈りを申し上げまして、わたくしの挨拶とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

特別講演

「グローバルビジネスに必要な英語力と交渉力」
 橘・フクシマ・咲江 氏
(G&S Global Advisors Inc.代表取締役社長)

 人材コンサルタントの第一人者として世界的にも著名な橘・フクシマ・咲江氏を特別講演の講師としてお迎えいたしました。まず、フクシマ氏が考える人材の「5つのこだわり」にふれながら、ビジネス界が迎えるグローバル化の波に対応できる人材について具体的な事例をもとにお話しいただきました。日本人に求められる「多様性」や「説得力」は、これから世界に通用するための人材育成に必要な要素であることなど示唆に富んだ内容でした。また最後の質疑応答では企業関係者から多くの質問が上がり、日本が直面する喫緊の課題でもあるグローバルビジネスで求められる能力に対する関心の高さがうかがえ、深く考える機会になったと思います。

講演内容

(文責 教員研修部)

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