こんにちは、ELEC録音スタジオです。今回は宅録時に気を付けたいマイクの使用法についてお伝えいたします。現在では多くのオーディオリペアツールがあり、大体のことは編集できてしまう時代ではありますが、できるだけ元音声を良い状態で収録することでその後の作業効率や高品質な仕上がりにつながります。
・マイク選びについて
マイクにはコンデンサーマイクとダイナミックマイクがあります。コンデンサーマイクは感度が良く、きれいに収音できる一方で、環境音も拾いやすいです。空調や部屋の外の音、部屋の反響音、服の素材など小さな音でも注意を向ける必要があります。ダイナミックマイクは、マイクの近くにある音を拾うのに適しており、繊細な音を拾うのは少々苦手です。ただし、コンデンサーマイクのように、不要な音を拾うことに対しては神経質になる必要はありません。ASMRのような音声を収録するには感度の良いコンデンサーマイクが適していますが、ナレーションや歌のような声量のあるものであればダイナミックマイクでも十分に録音可能です。録音環境と目的に合ったマイク選びがポイントです。
・録音する場所について
録音する場所はそれぞれ環境が異なるため、どこに注意したらいいのか悩んでしまうかもしれません。今回紹介するのは壁とマイクとの距離です。壁からできるだけ離れた場所での録音がポイントです。音は壁で反射するため壁の近くにマイクを置いてしまうと反射した音を拾ってしまいます。特に部屋の角は反射音が多くなるので注意が必要です。(壁と同様、天井と床も音が反射しますので、可能であれば気にかけてみてください)どうしても構造上、壁の近くでの録音となる場合には、布や毛布などを壁にかけることで多少音の反射を抑えることができます。
・番外編
ここまでマイクについてお伝えしましたが、「録音機器がないので、スマートフォンで簡単に録りたい!」と思う方もいるかと思います。そんなときにはスマートフォンのマイクと口との距離を意識してみてください。離れすぎてしまうと環境音や反射音が目立ってしまい、近すぎると吹いたような音になってしまいます。おすすめの距離感は日本語の場合こぶし1個分です。(英語の場合は子音が強く発音されるため、こぶし1.5個分がおすすめです)その際にマイクを口に向けて録音すると、はっきりとした音声で収録することができます。(画面に向かって録音してしまうと少し曇りのある音になり、鼻側に向けるとポップノイズを拾いやすい印象でした)実際にいろいろと試してみると、ほんのわずかな違いでも違いが出てきて面白いです。もし当法人に編集のご依頼をいただいている方で、スマートフォンで収録した音声をご使用になりたい場合には、スタッフにご相談ください。ご用意いただいた音声を整音し、既存の音声と組み合わせて編集いたします!