一般財団法人 英語教育協議会
ELEC(エレック)英語研修所
  1. 授与式・特別講演(受賞結果)

授与式・特別講演の模様

2019年度 第5回ELEC英語教育賞授与式が開催されました。

 2020年3月7日(土)ちよだプラットフォームスクウェア(千代田区神田)にて、「ELEC英語教育賞授与式」を政府の要請に従い、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ目的で、招待者や一般参加者をお招きしない形で実施しました。受賞校の授業取組講評は尾関直子委員に、受賞校代表者として堀江恒祐主任教諭にスピーチを行っていただきました。
 尚、今年度の「文部科学大臣賞」は選考委員の厳正なる審査の結果、該当校なしとさせていただきました。次年度以降、改めてのご応募をお待ちしたいと考えております。

文部科学
大臣賞
本年度は該当なし
ELEC
理事長賞
東京都日野市立日野第六小学校
「教科化対応授業改革〜実践的な聞くこと・話すことの指導を通して〜」
取組内容

受賞校講評 (尾関直子 選考委員)


 このたびは「ELEC理事長賞」の受賞おめでとうございます。
 今年度の「ELEC英語教育賞」へ応募された学校は、いずれの学校もカリキュラムを工夫し、精一杯自分たちのできることを行っていることが申請書からも伺えましたし、追加の映像資料からもその様子を確認することができました。
 その中で、今回受賞された日野第六小学校の「教科化対応授業改革~実践的な聞くこと・話すことの指導を通して~」の取組は、新学習指導要領の指針に沿っているというだけではなく、児童が生き生きと学習している授業でした。新学習指導要領に基づいて、「知識・技能の習得」、「思考力・判断力・表現力」の育成に重点を置いた授業は、授業の年間行動計画にも、日々の授業にもよく表れていました。児童が楽しく英語の4技能5領域を学べるようによくデザインされていたと思います。
 例えば、ワークシートを活用した授業を行っていますが、そのワークシートには、ノート欄、やり取り欄、振り返り欄、発表企画欄などを設けて、新学習指導要領が提案する「主体的・対話的で深い学び」が実現できるように工夫されています。このワークシートは、他の小学校においても取り入れることができる方法だと思います。また、毎回1分間、ペアでの対話の時間を設け、communication strategies、いわゆるasking for clarificationなど、相手の言っていることがわからない時に聞き直すフレーズ、繰り返して欲しいとお願いするフレーズを活用して、生徒が会話を継続できるような工夫をしています。また、ALTとの打ち合わせの時間を短縮するために、指導案の雛形を作成し、どのように指導して欲しいのかをALTに明確に指示できるように工夫しています。
 このような授業に対する児童の評価も大変肯定的でした。英語に対する自信を持たせて自己肯定感を高める授業はとても大事だと思います。生徒のモチベーションを向上させたり、自己肯定感を高めたりするなどの情意面は、授業評価では無視されがちですが、授業で一番大切なことだと思います。
 授業映像では、応募書面で想像していた以上の素晴らしい授業が展開されていました。特に素晴らしいと感じたのは、児童が授業中に絶えず話しており、活気のある授業が展開されていたことです。誰一人として下を向いておらず、顔を上げて活発にやりとりをしている様子が毎回の活動で見られました。また、ビデオでは、それぞれの活動の目的や内容が明確に示されていました。
 先生が熱心に指導されており、日本語を使わず英語だけで楽しく教えていらっしゃる様子がよくわかりました。自分流の理論で英語の授業をデザインされているのではなく、英語教育の理論をよく理解されており、第二言語習得理論の理にかなった授業をデザインされていることに感心しました。児童の勉強だけではなく、先生自身の勉強にも熱心であると確信いたしました。
 これからも楽しく、また、子供たちの英語力がつく授業を続けてください。


受賞校代表者のコメント


東京都日野市立日野第六小学校(代表者 堀江恒祐 主任教論)

 この度は、本校の外国語活動に対しまして、このような賞をいただき、日野第六小学校を代表いたしまして、心よりお礼を申し上げます。
 本校では、平成29年度より、教科化を見据え、外国語活動の指導の在り方を見直し、少しずつ改善をしてまいりました。
 教科化に対応した指導を行うにあたり、言語学習における音声の重要性や、「コミュニケーションのツールとしての英語」という概念を踏まえて、児童にとって「英語を活用できた」と喜びを実感しやすい学習領域は「聞くこと・話すこと」であるとの仮説をたて、この2つの学習領域の指導を軸として、各領域の資質をバランスよく育むことを目標にしました。
 本目標の達成に向けて、本校では主に以下の点の確立や工夫を目指し、研究に励みました。

・第3学年から第6学年まで共通した、基本的な1単位時間の学習の流れの確立。
・「聞くこと」「話すこと」の楽しさとともに成長の喜びを感じられるような学習活動の工夫。
・「聞くこと」「話すこと」を軸としながら、それらと高学年の「読むこと」「書くこと」の学習領域とを関連付けた、第3学年から第6学年までの系統性を意識した指導体系の確立。
・各領域の学習効果を効率的に上げるとともに、教師が児童の学習の様子を多面的に評価できるような、本校ならではのワークシートの型の工夫。

 上記の点を、「指導・評価・ワークシート」の3点の整合性をできるだけ高めることを意識しながら研究し、PDCAサイクルをベースに研究内容を日々の授業の中で実践していきました。このことにより、第3学年から第6学年までの発達段階、系統性に即した、本校ならではの学習の流れや指導体系等が次第に確立され、「『聞くこと・話すこと』の指導を軸に、各領域の資質をバランスよく育む」という目標を体現できるような授業が形になってきました。
 また、第3学年から第6学年まで、学習の流れやワークシートのレイアウトを統一した指導を積み重ねていったことで、今年度の高学年では、中学年で培った素地を基に、自分たちの力で学び合い、課題を解決する時間をより保証することができるようになりました。児童が自身の力で、学び合いを通して「聞くこと」「話すこと」の領域に限らず、それぞれの学習領域において大きな成長を遂げていく姿から、「児童同士の言語による学び合い」に秘められた、大きな可能性を学びました。
 そして、何より重要な点ですが、このような学習成果を、児童自身も実感しており、高学年を対象にした「聞くこと」「話すこと」に関するアンケートでは、主要項目である以下の4点、・話すことへの自信が高まった ・話をより長くつなげることができた ・話の内容に関連付けて話すことができた ・1分間友達と会話することができた、において、肯定的な回答が9割を超えました。
 他の学習領域においても、児童の学習の様子、成果物等から年々結果が表れていることを実感しております。
 しかし、このような成果を出すことができた反面、児童の学習効果をより高める評価方法や、学習活動のスムーズな展開の在り方など、様々な改善点が多々あるのも事実です。本校の研究内容を改めて見直し、さらなる改善点を見出す機会をくださった本賞に感謝を申し上げるとともに、よりグローバルな時代で活躍する子供たちが、これからの人生で英語となかよく向き合っていけるような教育ができるよう、これからも努力してまいります。
 本日は、誠にありがとうございました。

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